「サステナブログ VOL.6 ~フェアトレード編~」
いつも、ダイサンニュースをご覧いただき、
心より感謝を申し上げます。
コミュニケーションデザイン部の林です。
こちらの“サステナブログ”では、
持続可能な社会を目指していく為に、
日本や世界各地で問題となっている
地球環境に関して、
毎回気になったテーマについて
綴らせていただきたいと思っております。
第6回は、「フェアトレード」。
英語で“Fair Trade”になりますが、
直訳すると“公正・公平な貿易”を意味します。
現在日本では、多くの国々と貿易をすることで
様々な資源や製品を輸入しています。
しかし、日常の、当たり前に存在する
この輸入品がどのようにして生産されたか、
深く考えることは少ないかもしれません。
私たちが手にする食べ物や衣服などは、
安く買い求めることが多いです。
低価格の背景には、
安い賃金で働かされている労働者、
経済効率を優先するあまり
環境を無視した生産体制などがあります。
先進国と発展途上国の取引では、
過去をさかのぼると
不公平な取引が横行していましたが、
現在では、このような状況を改善できる
フェアトレードの考え方が広がってきています。
これは、発展途上国で作られた物品を
適正な価格と対等な関係で
継続的に貿易するということです。
発展途上国の生産者は、零細農家が多く、
生産物を市場まで運ぶ手段がありません。
買い取ってくれる業者に売るしか
生計を立てる手段がないので、
安く買いたたかれてしまいます。
その結果、生活に必要な収入も得られず、
いつまでも貧困から抜け出せません。
また児童労働も深刻な問題です。
人手が足りず、子どもを労働力として
頼ることが多いです。
子どもたちが、そのような環境で、
教育が受けられないまま過ごしたり、
過酷な肉体労働で身体を壊すことで、
未来の選択肢が大きく変わってしまいます。
不公平な取引は、古くは大航海時代にさかのぼり、
南米、アジアの植民地政策である奴隷貿易、
プランテーションでの労働力搾取、土地収奪、
などが、始まりとされています。
現在でもチョコレートの原料であるカカオ豆や、
コーヒー豆、コットン製品などの生産現場では
まだまだ公平な取引が行われず
様々な問題を抱えています。
コーヒー豆やカカオ豆の国際相場の値決めは、
原則として、ロンドンとニューヨークの
先物取引市場で行われ、産地の天候や作柄、
政情や治安状況など、様々な要素により
日々変動しています。
生産地と遠く離れた場所で
値段が決められてしまうため、
なるべく高く買い取ってくれる業者に
売る以外選択肢がなく、
どんなに質の良いコーヒー豆やカカオ豆が
収穫できても自分たちで価格を設定できません。
またコットン農家は
農薬使用について根深い問題を抱えています。
コットンの農地面積は
世界の耕作面積の3%程度にもかかわらず、
世界中で使用される殺虫剤の16%、
農薬全体の10%が使用されるといわれています。
さらに先進国では
使用禁止している成分が入った農薬が、
いまだに使われていて、
環境や健康への影響が心配されています。
この様な状況を改善するために、
持続可能な取引を実現するべく、
必要なコスト負担を生産者だけに強いるのではなく、
購入業者側が買取り価格に上乗せし、
生産者の労力や地域の環境保護対策に見合った
適正価格を設定するのが、フェアトレードです。
日本でもフェアトレードを広める為に
様々な活動が行われています。
その中でも「フェアトレードタウン運動」は、
行政や企業、商店、市民団体などが
まちぐるみで一体となり、
途上国の弱い立場にある
生産者の自立や環境保全に貢献するために、
普及活動を積極的におこなう運動です。
2000年にイギリスで誕生後、
世界30カ国以上に広がっており、
日本では、2011年に日本初の
フェアトレードタウンとなった熊本市を始め、
名古屋市、逗子市などの計6都市が認定されています。
フェアトレード商品については、
見かけたり手に取る機会が増えているものの、
価格が高かったり、品質基準を満たしていない
場合もあるようです。
フェアトレードの考え方に賛同していても、
商品購入に至らなければ、
日本において浸透するには
まだまだ時間がかかりそうです。
以上、こちらのブログを最後まで
お読みいただきありがとうございました。
また次回更新時にお読みいただくことを
心よりお待ちしております。