【健康経営実践VOL.61 食事で自律神経を整える】
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桜も満開のピークを超え、春がやってきました。
満開の桜を見ると新しい季節の訪れ、新年度の始まりを感じさせてくれます。
学校はもちろん、4月に新年度を迎える企業も多いと思います。
新しい生活や環境に、よしっ!と気合いを入れて楽しく挑戦したいですよね!
しかし裏腹に、ポカポカ陽気に満ちた春は、眠りが心地良い季節でもあります。
眠りの心地良さから、朝なかなか起きられない、なんてことはないでしょうか?
実は春は陽気さとは裏腹に、眠さやだるさ、身体の不調を感じやすい時期なのです。
私達の体は、体の活動時や昼間に活発になる交感神経と、安静時や夜に活発になる副交感神経がバランスをとりながら、健康な状態を維持しています。
季節の変わり目である春は、天候や気温、生活環境の変化などから、交換神経と副交感神経のバランスが崩れやすく「自律神経の乱れ」が起こることがあります。
これが眠気やだるさの原因なのです。
春に「自律神経の乱れ」が起こる原因
寒暖差が大きい
身体が寒暖差に対応するため、交感神経が活発に働くので、エネルギーを沢山消耗します。
日照時間の変化
春には日照時間が長くなり、これが人の体内時計に影響を与えることがあります。睡眠パターンの乱れや、一日を通じた生活リズムの変動を引き起こす可能性があります。
気圧の変化
低気圧と高気圧の入れ替わりが頻繁に起こるため、自律神経の切り替えを上手にコントロールできなくなります。
生活環境の変化
新年度を迎えると、進学・就職・転職・転勤など、自身や家族の生活環境に変化が起こります。
この変化によって緊張やストレスを感じることが多くなり、自律神経のバランスが乱れやすくなります。
このように、春の自律神経の乱れを引き起こす原因は、外的要因、心理的要因なため、中々防ぐことが難しいですね。
そこで、春の疲れやだるさ、眠気改善のために大切なのは、食生活。
食事によって自律神経を整えることができます。
食事で自立神経を整えよう!
自律神経は内臓の働きに深く関係しています。
例えば、交換神経が働くと胃腸の活動が悪くなり、副交感神経が働くと胃腸は活発に活動します。
食べ過ぎや消化不良によって胃腸に過度な負担をかけないことが大事です。
腹八分目で、消化に悪い食品の摂りすぎを防ぎましょう。
■消化に悪い食品
スパゲティ、ラーメン、焼きそば
脂肪の多い肉(ベーコン・ハム・バラ)
脂肪の多い魚(うなぎ、さば)
ごぼう、たけのこ、コーン、ドライフルーツ
天ぷら、フライ
また、身体の血糖値が高すぎたり、低すぎたりしないように変動を感知して修正するのも自律神経の働きです。
空腹時に、大量に糖質が含まれているパンやお菓子などを突然食べると急激に血糖値が上昇してしまいます。
血糖値をほとんど変化させない肉や卵などたんぱく質・脂質が豊富な食べ物から食べるようにしましょう。
よく噛んで、ゆっくり食べることも大事です。
自律神経を整える食べ物
食べ物の中には、自律神経を整える栄養素が含まれているものがあります。
そのような食品を食べることで自律神経を整える効果が期待できます。
■GABA(γ‐アミノ酪酸)
アミノ酸の一種で、中枢神経で働く神経物質です。
神経の高ぶりを抑える働きがあり、ストレスや運動時に高まる興奮を抑制することで、自律神経のバランスを整えてくれます。
多く含む食べ物:発芽玄米、キムチ、味噌、なす、かぼちゃ
■トリプトファン(必須アミノ酸)
人の体内では合成できない「必須アミノ酸」の一つです。
精神を安定させて記憶力や集中力を高めたり、不眠の解消に効果があると言われています。
多く含む食べ物:レバー(牛、豚、鶏)、小麦胚芽、牛乳、チーズ、バナナ、大豆、アーモンド、マグロ、カツオ
■ビタミンB群
ビタミンB群は自律神経を整える効果があり、中でもビタミンB6、B12を含む食べ物が重要です。
ビタミンB6は交感神経の興奮を抑える作用のあるセロトニンやGABAの生成に必要な栄養素です。
ビタミンB12は神経細胞の膜、つまり自律神経の材料となるビタミンです。
多く含む食べ物
ビタミンB6:レバー、カツオ、マグロ、肉類
ビタミンB12:カツオ、サンマ、貝類、レバー、納豆、もやし、チーズ
■ビタミンC、E
自律神経の乱れにより交感神経が優位に立った状態では、活性酸素が体内に溜まり副交感神経が弱るため、免疫力が低下してしまいます。
そこで、活性酸素を減らす作用のあるビタミンC、Eを含む食べ物がおすすめです。
多く含む食べ物
ビタミンC:果物類、野菜類、イモ類
ビタミンE:ナッツ類、かぼちゃ、マグロ、うなぎ
また、自律神経を整えるために、控えた方がよい食べ物があります。
マーガリン、ショートニングなどの食べ物に含まれるトランス脂肪酸は、人工的につくられた脂質で、摂取することにより細胞膜や脳神経を構成する材料として使われることで、ホルモン分泌や神経伝達機能を狂わせるためです。
さらに、トランス脂肪酸の悪影響は自律神経だけではありません。
過剰摂取により、心筋梗塞などの冠動脈性疾患のリスクが高くなる可能性が危惧されています。
ついつい食べてしまう下記食べ物、摂りすぎには注意しましょう。
■トランス脂肪酸を多く含む食べ物
インスタントラーメン、スナック菓子、菓子パン、冷凍食品、揚げ物、ホイップクリーム、コーヒーフレッシュ、チョコレート
春が過ぎると、次はあつ~~い夏がやってきます。
夏を乗り切る身体をつくるためにも、春の体調管理、食生活はとても大切です。
食事で、身体を整え、1年のスタートを切りましょう!