第7回 GEKIの WHOS WHO
今回は、早すぎた天才 (モンゴメリー・クリフト)1920~1966をご紹介しましょう。
13歳で、ブロードウェイで初舞台を踏み、以後10年間舞台で経験を積み多くの作品で主演を演じて高い評価を得た。
ハリウッドの高額ギャラの出演依頼を断り、週給十数ドルの舞台に出演し、アンチ・ハリウッドを偉観なく発揮し,自分の生きたいように生きる所が非常にカッコイイのである。
映画会社と、長期契約を結ばず束縛されるのを嫌った。それでも50年台の巨匠と呼ばれた監督からはオファーが絶える事はなかった。
彼の断った作品には、『波止場』 『エデンの東』 『サンセット大通り』 『真昼の決闘』と大作・ヒット作となっている。
『波止場』・・・・・・監督 (エリア・カザン) 主演 (マーロン・ブランド)
『エデンの東』・・・・監督 (エリア・カザン) 主演 (ジェームス・ディーン)
『サンセット大通り』・・・監督(ビリー・ワイルダー) 主演 (ウィリアム・ホールデン)
『真昼の決闘』・・・・・・監督(フレッド・ジンネマン)主演 (ゲイリー・クーパー)である。
モンティが、これらの作品に出演していたら、又違った作風になっていたであろう。特に、『エデンの東』と『サンセット大通り』は観てみたかったですね。
演技している(喋っているいる時よりも、じっとしている時の方がより多くを語る)と評論していた人がいたが、モンティの演技が自然体であるが故、観ているほうがのめり込んで行ってしまうのであろう。美しさと演技力を兼ね備えた名優であったにちがいない。
アンチ・ハリウッドのクリフトが残した作品の中では、私的には、51年『陽のあたる場所』31年(ジョセフ・フォン・スタンバーグ)監督のセオドア.ドライザーの『アメリカの悲劇』、のリメイクを(ジョージ・スティーヴンス)監督が、(モンゴメリー・クリフト)・(エリザベス・テイラー)(シェリー・ウィンタース)を起用したラブ・ロマンスで、31年版より、原作からよりかけ離れた作品となったが、アカデミー監督賞を受賞(ジョージ・スティーヴンス)は、当時としては、新しいカメラワーク技術オーバーラップを多用し、映像に奥深さと、作品全体に余韻感を、漂わせた。
この作品と、53年『地上より永遠に』・・・ちじょうよりえいえんにとは読まず、ここよりとわにと読みます。
(フレッド・ジンネマン)・・・監督賞・作品賞
(フランク・シナトラ)・・・・助演男優賞
(ドナ・リード)・・・・・・・・助演女優賞他8部門(アカデミー賞)を取った名作、モンティだけが、主要部門で受賞を逃がしているが彼の演技を是非見て頂きたい、自分の人生を地で行く様なプルーの反骨精神とこだわり、仇役の(アーネスト・ボーグナイン)もすばらしいです。
『陽のあたる場所』・『地上より永遠に』に2作品、俳優界の反逆児・天才児、モンティ作品を是非御覧あれ!
スペンサー・トレイシーいわく、モンゴメリー・クリフトの演技を観ていると、今現在の大方の俳優をろくでなしに見せてしまう。
エリザベス・テイラーいわく、彼とのシーンを撮るときは、まるで決闘に出向くような心境である。
モンティいわく、私の事をアンチ・ハリウッド、俳優界の反逆児と言っている人達がいるが、
わたしは、若い反逆児でも、年老いた反逆児でもない、ただ自分の信念と、確信をもって仕事に打ち込んでいる一人の、人間に過ぎない。
プライべートでは、色々ととりただされたが、彼の生き方は誰にもマネる事のできないかっこよさがあると思います。
それでは、第8回でお会いしましょう。
GEKIでした。