サステナブログVOL.53~地域で学ぶサステナブル~
いつも、ダイサンニュースをご覧いただき、心より感謝を申し上げます。
前回のブログで、1人1人ができる食のサステナブルアクションとして、「地産地消の食材を食べること」をお伝えしました。
参考:サステナブログVOL.52~食欲の秋こそ、サステナブルな食事を!~
今回は、自治体で取り組んでいる地産地消の取組みを紹介したいと思います。
学校給食に地域の特産品を
昨今、学校給食に地場食材を使う自治体が増えてきており、文部科学省の調査では、2023年度は4年前と比較して、7割の都道府県で使用率が上がっているそうです。
全国平均は55.4%、最多が山口県で、1位 栃木県、3位 山口県と続いています。
1位の山口県の北西部に位置する長門市では、特産品の白オクラを給食に使用するとともに、生産者を撮影した映像を子供達に見せることで、地域の農業、食文化の理解を深めています。
地元の農協などと学校給食に話し合う場も定期的に設け、生産者から食材を直接仕入れるルートが構築されています。
地元食材の活用した、まさに食のサスティナブルな取組です。
関西は、都市部が多いこともあり、地元産の食材を使う割合は全国平均より低くなっているためこれからの一層の取組が求められます。
地元の食材の給食への活用は、子ども達へのサスティナブル教育や食育に大切だからです。
地域への愛着を育て伝統を伝える取組み
全国平均より低く、順位でも下位となってる関西ではありますが、全国から1000を超す学校や給食センターが応募する「全国学校給食甲子園」では、兵庫県は最多3回の優勝者を出しています。
「全国学校給食甲子園」は、食育の啓発と地産地消の奨励を目的に、認定NPO法人21世紀構想研究会が、2006年から開催しており、今年で19回目となります。
兵庫県の丹波篠山市は2年連続で優勝・優秀賞を獲得しています。
2019年大会で優勝した時の献立がこちら
↓↓
丹波篠山黒豆ごはん
牛乳
寒ざわらのデカンショねぎソース
ふるさと野菜のゆずマヨネーズあえ
天内いも入り 根菜ぼたん汁
うんしゅうみかん
丹波篠山市は全国的に有名な特産物が数多くあり、秋はまさに、黒枝豆や丹波栗の収穫シーズンを迎えています。
また基幹産業は農業であるとの想いから、2009年には「農都宣言」を行い、農業を支える取り組みも盛んです。
市が地元産米の米粉パンや特産品の補助をしたり、野菜生産者と給食向けの野菜の作付けの話合いをするとともに、行事食やお花見、お正月など季節に応じた地産地消メニュー等を用意しています。
子ども達は給食を通じて地域の産業を学ぶとともに節を感じ、伝統を知ることができるんですね!
「食」の理解を深め持続可能な社会の作り手に
地場食材を給食に使う地産地消の取組は、子ども達が地域の食文化を学び、誇りや愛着を持つ上でも重要であるとともに、生産者を応援し、地元経済の活性化や環境負荷の軽減することに繋がります。
ですが、課題も少なくはありません。
都市部では食材のまとまった量が安定して確保することが難しいこと、そして一番の課題は生産者の方々の高齢化と農家の後継者不足により、農業従事者が減少、国内農業の生産量が減少していることです。
国内生産量を減少させないためには、若者の農業参入を促進する政策の推進が必要です。
山口県の例のように、食べることだけでなく、子ども達に農業の魅力を伝えていくことは重要なことと言えます。
他にも小学校の農業・農村体験活動など、教育現場でのより一層の取組みが期待されますが、私達の生活に欠かすことのできない一番身近な「食」を通じて、農業等、地域の生産活動と消費行動の理解を進め、持続可能な社会の創り手となっていくことが大切ですね。
以上、こちらのブログを最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回、更新時にお読みいただくことを心よりお待ちしております。