2024.03.04
スタッフブログ二色の浜工場
「箱男」~二色の浜工場ブログ~
—日本の『箱男』という映画が今年のベルリン映画祭で上映された。
監督は、石井岳龍。
このニュースを聞いたとき、
「ほんまに作ったんかい」と歓喜に近い気持ちになった。
1997年、当時は石井聰互という名前だった石井岳龍監督が、
安部公房の小説「箱男」を映画化するという噂を聞いた。
石井聰互とは、『狂い咲きサンダーロード』『爆裂都市』『逆噴射家族』などを
手掛けた日本インディーズ映画界を引っ張ってきた監督である。
安部公房の小説が好きで、ほとんど読んでいた私は、石井聰互が箱男を・・・
これは、とんでもない映画になるんでないか・・・と、期待していたが、
実際は映画公開の話など聞こえてこず、私もすっかり忘れていた。
ところが、2024年。突然の『箱男』である。
監督は、岳龍に名前を変えた石井聰互。
主演は、永瀬正敏。
27年後の映画化であった。
ニュースによると、1997年に映画化の予定であったが、
クランクイン前日に中止になったそうな。
当時の主演も永瀬正敏。
27年間、映画化を諦めなかった監督の情熱というか、
執念というか、怨念というか。
遂に、石井聰互の『箱男』が観れる。
感謝しかありません。
ちなみに、『箱男』とは、段ボール箱を頭から足まですっぽりとかぶり、
街を徘徊し、のぞき窓から世界を見つめる人間の最終形態「箱男」という
存在を記録した物語である。