第6回 GEKIの WHOS WHO
今回は、マルクス・ブラザーズをご紹介しましょう。
ユダヤ系ドイツ移民のヴォードビリアンの両親をもつ5人兄弟で、両親と一緒にアメリカ全土を
旅回りするうち25年舞台『ココナッツ』がロングランとなり、28年『けだもの組合』が大当たりとなり
1929年パラマウントに招かれ『ココナッツ』で映画デビュー
34年『我輩はカモである』は、1970年代に再評価され、カンヌ映画祭で当時の封切作ではなく
メインストリートから、遠く離れたマルクス・ブラザーズ特集が満員御礼となった逸話は有名である。
舞台時代の演目を映画化したものが多い初期の作品は大不況の時代に彼等の過激で狂騒的な笑いは絶望した庶民を大いに惹きつけるが、ギャグの多さと時には、ストーリーから逸脱しがちな舞台的なグルーチョのマシンガントークに、喋らないハーポのシュールレアリズムなギャグ、イタリア訛りで喋るチコの芸風の組み合わせが当時は、ごく1部のハイブローにしか認められず、パラマウントを去る。
たまたま、チコのポーカー仲間にMGMの若き天才プロデューサー(アーヴィング・G・タルバーグ)ここでは、タルバーグと記しますが、サールバーグと表記する文献もあります。に招かれ35年『オペラは踊る』から46年『マルクス捕物帖』までタルバーグ弱冠25歳の天才映画屋の手にかかった、いい意味でも悪い意味でも観衆受けする作品群となり、それはそれで、映画的にクオリティの高い物である。
こういったエピソードがある・・・サイレントからの喜劇王チャップリンが、トーキーの申し子グルーチョに「せめて君のように喋れたらなあ~」グルーチョいわく「あなたはあれほど稼いで、まだ欲張るのかね」
さすがダイアローグトラディショナリスト (グルーチョ・マルクス)である。
彼らには、ヴォードビリアンとしての芸がある、パーポは名前に取り入れているようにハープ奏者としても世界的に有名で、映画の中にかならずハープを奏でるシーンがある、チコはワンフィンガー(右指をピストル)の様にしピアノを弾きグルーチョは、実際でも当時の砂糖王夫人(マーガレット・デュモン)を手玉にとるトーク術。
彼らの専門書・・・ポール・D・ジンマーマン『マルクス兄弟(ブラザーズ)のおかしな世界』中原弓彦(小林信彦)
永井淳共訳
機会があれば是非お薦めの本である、表紙からして意味深なわかる人だけが分かる非常にこだわりのある本である。
彼等の熱狂的なファンには、サルバート・ダリや、かのアインシュタインがいます。
作品的には・・・『オペラは踊る』から『マルクス一番乗り』へ最後に『我輩はカモである』といけば楽しめるカモ!
私の偏見カモ・・・非常にこだわりのある偏見かもしれません。
それでは今回はこの辺で・・・ただの映画好きなおっちゃん・・・GEKIでした。