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2019.10.25 スタッフブログ

「さらば 愛しき魔神」~守口・豊里工場ブログ~

猛暑続きの夏が終わりましたが、朝夕こそ冷え込むものの、まだまだ日中は陽気というか暑い日が続いております。

 

寒暖差で体調を崩さぬよう諸賢らも体調管理には気をつけていただきたい。

 

どうも、ガッキーです。

 

今回のブログは寂しく、そして個人的にはとても悔しい話題となりますが、最後までお付き合い頂ければと思います。

 

ブログのタイトルで察しのつく方もいらっしゃるかと思いますが、ダイサンのパッケージ部に配属されてから今日まで苦楽を共にしてきた我が愛車、『Vmax』。

 

まさに苦渋の決断となりましたが、10年目を迎える10月をもって袂を分かつ事となりました。

 

思い返せばダイサンブログでも初ブログはVmaxの…いや、さすがに自己紹介でしたが(笑)2回目のブログでたっぷり紹介させていただいた愛車であります。

(古くからダイサンブログをご覧の方の中にはこの写真に見覚えがある方もいらっしゃるかな?)

『アメリカを造る』という壮大なコンセプトのもとに、当時アメリカで老若男女問わず人気を博したドラッグレースに注目。

『ゼロヨン(400m)10秒切る』を目標とし、当時の大型バイクでの最高出力145馬力のエンジンを搭載したライダーが”乗る”ではなく”しがみ付く”モンスターバイク。

 

『マシン(machine)』ではなく『魔神』と呼ばれたVmax。

1985年?2007年までのモデルとフルモデルチェンジした2009年からのモデルも含め、非常に多くのライダーを魅了したバイクでありました。(現在は生産終了。新モデルとしてVMAX 2020 が先月発表されました。)

 

かく言う私もそんな魅了されたライダーの内のひとりなのではありますが…。

 

購入当初は初めて自分で選んだバイク(それまでは前職の先輩に安く譲っていただいたバイクに乗っておりました。)なので、大袈裟ですが世界に一台の俺流カスタム車両にしたいという想いも強く、ネットでパーツを調べ、気に入ればVmax用でなくとも自分で加工して取り付けたりもしました。

 

ネットオークションで知り合った方とパーツを1からデザインしてオリジナルパーツを作ろうという話もありました。(中々互いに都合が合わずデザイン構想途中で断念しましたが。)

 

しかし、やはり1995年モデルという事で旧車の部類に入る為、月日の流れと共にあちこち故障しだしまして、オイル漏れ、冷却水漏れ、充電不良、ヘッドライト不点灯、ミッションギア不良。

故障だけならいざ知らず、カスタムシートもいたずらでカッターで切り刻まれ、台風の強風でなぎ倒され、駐輪中に誰かが横に置いた粗大ゴミの棚が倒れてきてミラーが割れる…数えたらキリがない程のトラブル。

もちろん、その度に修理もしました。

再発防止の為にネットで情報かき集めて対策部品に交換、加工もしました。

もちろんカスタムもしたいのでめげずに部品を数ヶ月置きに一点ずつコツコツ集めてきました。

 

そして、10年目を迎える今年。

 

三日以上の連休は一度も乗らないと休み明けは高確率でエンジンは掛からない。

先月、後輪に釘2本、鉄片3個が突き刺さる。(応急的なパンク修理はしてますが本来ならタイヤ交換。)

極め付けは、過去に修理、対策した部分の故障が2周目、3周目に突入。

この10年間での修理費用はおそらくもう一台Vmaxが買える以上に注ぎ込んでいる。

 

カスタムパーツは揃いつつあるが、それを取り付けるとなると時間と設備を要するのでショップに依頼するしかない状態。

もちろん取り付け費用も掛かるが2、3周目に入るトラブルが今後出てくる事、それ以外のトラブルももちろん出てくる事を考慮すると、いざという時の蓄えは残しておく必要性から気軽にカスタム依頼はできない。

 

先10年今まで以上に修理費がかさむであろう現実。

思い返される出勤前の汗だく修理や幹線道路上での真冬と真夏の2時間のレッカー待ちをした過去。

そしてカスタムも依頼できる日が全く見えない未来。

 

これらのファクターにより最重要部品である『私の心』が折れてしまったのである。

 

これがVmaxと袂を分かつ決断に至った経緯です。

 

『機械は生き物だ。』

 

そんな精神論?的な言葉がありますが、どちらかというと私もそういう思考寄りなところがあります。

 

故に、『生き物』として捉えてしまうと、故障=病気や怪我であり、私は『怪我や病気の多い奴だから要らない。』という理由で愛車を手放すという事になってしまい

「そんな薄情な人間に成り下がるのか?」

「本当に愛情を持って接して来たのか?」

「もっと古いバイクを元気で綺麗にして乗ってる人もいるのに諦めるのか?」

そんな自問自答の繰り返しで酷く葛藤致しました。

 

しかし、現実は『生き物』でも何でもない『機械』であり、いくら愛情を注ごうとも流れる月日は止められない。

形ある物はいつか壊れてしまう。

そして残念なことに愛情だけでは壊れたものは治せない。

お金が必要だ。

人によっては至極当たり前で些細な事かもしれませんね。

 

しかし私とVmaxにとってはあまりに大きな問題で随分と呑み込むまでに時間がかかりました。

出勤前、この姿とエンジンサウンドに仕事へのモチベーションを上げてもらいました。

 

帰宅時には、その日の疲れを走りで労ってもらいました。

 

休日には、ひとりで流したり、妻とタンデムで出かけたり、遠出は出先のトラブルが怖くて出来なかったですが色んな所に連れていってもらいました。

 

トラブルも多く、『また故障か…勘弁してくれよ。』と思いながらも修理して元気になれば『よし!俺も頑張ろう!』という気持ちにさせてくれました。

 

SNSのアカウント等々でも度々Vmaxの名を入れてしまう程、私の誇りでした。

 

この10年で約7万kmと年数の割に決して多くはないですが(地球の外周が4万kmなので2周弱分と考えるとまぁまぁな距離ですけどね。)永きに渡り、私の相棒として共に走り続けてくれて本当にありがとうございました!

 

さらば。我が愛しき魔神!

そして、今回は少しネガティブ要素多めなブログとなってしまいましたが、最後までご覧になっていただきました諸賢らにも感謝しております!ありがとうございました!

諸賢らも何か愛情を持って接しているものがあるかと思いますが、もし当方のブログを読んで今以上に大切にしようという気持ちになってもらえたなら幸いです!

 

おそらく次のブログではうってかわって明るい内容にできるかと思いますので乞うご期待♪

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